2日にわたり、夜勤があった。
場所は、昼間は交通量の多い、主要道路の交差点と言ってもいいだろう。
まぁ、だからこそ…夜勤なのだが…。
工事の内容は、水道管の移設工事。
それに伴う、交通誘導…と言う訳だ。
交差点のド真ん中。
三車線ある交互の道路(右折車線含む)を、二車線つぶしての片側交互通行だ。
やる事は派手(?)だが、夜勤と言う事もあり…
正直、交通量を考えて見れば、簡単な部類だろう。
ただ、面倒なのは…信号がある…
いや、信号くらいなら別に問題無いが、その付属として、矢印信号がある。
(右折用の信号。メイン信号が赤でも、青矢印により右折が可能)
そのタイミングの取り方は…片側担当の警備員に任せるしか無いであろう。
休憩等の交代等も考慮し、現場の隊長と話をした結果、
片側担当は「Tっちゃん」と「にゃかの」に決定した。
最初は交通量も多く(20:30始まり)、
多少…面倒な思いをしてもらわなくてはならない。
しかし、両者とも、よくやっている。
まぁ、二人の経験からすれば…余裕のレベルだろうが。
そのうち交通量も減り…ますます余裕の作業。
雑談も次第に多くなる。
Tっちゃん「はよぅ(早く)終わるろぅかねぇ?」
おいら「いやいや…それは無いわ…6時は覚悟しちょき!」
Tっちゃん「マジでっ!!」
事実、その現場では…平均で6時といった所だった。
早くても5時だろう…
おいら自身は、その考えがあるので、早く帰れる希望など…すでに無かった。
と、深夜2:00過ぎ…
何やら、現場の動きが変わった。
使うはずの無い重機を動かしたり…しかし、作業員は作業をしている様でも無い。
みんなして、水道管を通すべく掘った穴を見ている。
「何だ?なんだか変な雰囲気だぞ?」
気になったおいらは、その掘った穴の中をのぞき込んだ。
と………そこには、信じられない光景が………
なんと、今掘った穴の中は、水浸し…いや、そんな生やさしい物ではなかった。
みるみるうちに、水位が上がってくる…
水たまり…いや、ちょっとした池になっている。
「なんだこれは!?」
そういえば…こうなる前に、なにやら大きな管を取り出していた。
そして、その管には、古い(錆び付いた)器具が取り付けてあった。
もしかして…それが原因なのだろうか??
「いよいよ…面倒な事になったねや…」
現場に居たオペレーター(重機の運転手)がつぶやいた。
おいらは、聞いてみる事にした。
おいら「何かあったんですか?」
オペレーター「管が古いがよ。
周りを掘って管だけ出しよったら、そのまま崩れた」
おいら「折れたがです??」
オペレーター「そうよ。管の重さと水圧に負けたがよ」
おいら「………。」
いやな予感が走った…
話によると…止水栓が折れた…と…。
って事は…水を止める方法は……えっと……まわり全部を止めるか?
しかし…そんな事をするなら、周囲一体は断水になる…
夜中の工事とはいえ、いきなり断水などと…できる訳がない…
そう言えば…さきほどから監督は電話ばかりしてる…
「あぁ…トラブルか…」
見てる間に水位は上がってくる。
水ポン(水中ポンプ)を3台使っても…まだ水の威力の方が上だ。
作業員はダンプを走らせ、事務所から水ポンを持ってくる。
計5台の水ポンで対抗する…。
と、監督が電話しながら、おいらの方にやってくる…
どうやら、おいらの嫌な予感は的中したらしい。
監督「…後…4人か5人…応援を呼べん??」
おいら「は……はぁ??」
監督「ここを通行止めにせんといかん…」
おいら「………は…はぁぁぁ??」
時間は早朝4時。
そんな時間に人を呼べと言われても、居る訳が無い。
ましてや、この時期には珍しく…
我が社では、昼も仕事が一杯で、夜勤のメンバーのほとんどは連勤なのだ。
「いや、無理ですよ…おりませんって…」
監督に話しをするも…しかし、監督も困っていた。
監督「ごめん…無理言うけど…とりあえず、連絡してみて…」
そう言われれば仕方がない。
おいらは携帯を手に…「M親分」に連絡をした…早朝4時に…。
そうこうしてる間に、なにやら人間が増えている。
どうやら、役所の担当が来たらしい。
担当官も携帯を手に、現場の作業員に話を聞いている。
しかも………どうみても………慌てている。
簡単に言えば、「パニクる」「テンパッってる」と言う単語がピッタリな程だ。
あれこれと指示してるのだが…その、どれもが…無茶なのだ。
担当官「管の道具は用意できるか?ガードマンの数を増やさにゃあ…何人おる?」
おいら含め、現場の警備隊長、そして休憩から戻ってきた「Tっちゃん」…
3人で…話を聞いて…ぼけた。
どうやら、その担当官の頭の中では、
壊れた止水栓に繋がる水道管の本管の流れを止めなくてはいけないらしい。
なにはともあれ、水をなんとかしなくてはいけないらしい。
そして、最低限…復帰をしなくてはいけないらしい。
その考えから導かれた結果が…
担当官「この道路を通行止めにする!
向こう(北)の交差点で交通を振り分けるように!南も止めにゃあいかん!
この道路(主要道路)の南にある本管に繋がにゃあ…
大がかりな通行規制になる…ガードマンの数を確保してくれ!!」
おいら達「………は………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ(@o@;)!!?」
言っておくが…朝の4時での話である。
警備員の数がそろう訳がない。
しかも、主要道路を通行止めにするのに、何人の警備員がいると思っているのか…
繰り返すが…朝の4時である。
100歩……いや、50000歩位譲って、通行止めにしたとしよう。
その時間から規制を始め…朝の6時には解放できるのか?
主要道路で、何の前触れもなく通勤時間に通行止めなどしようものなら…
下手すれば、刑事事件に発展するぞ??
(それどころではない…社会問題だ)
…って、監督も担当官も、地元の人だろうが…
ここの昼間の交通量は…半端じゃないのを知ってるだろうが…
それでも…やる気か?そうなのか??
焦る監督。
慌てる担当官。
続々と集まってくる、各担当の役所関係の人達。
そして…そうしてる間にも、あふれ出る水……。
さて…我々、警備員の運命やいかに!!
緊迫の次号を待て!!
(また、この展開かよw)

